辺野古、活断層の存在明確に 地層、隆起から専門家が判断


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、立石雅昭新潟大名誉教授(地質学)ら専門家十数人の調査団が1日から4日間、建設現場周辺の地質を調査した結果、活断層がある可能性が高いことが分かった。米軍キャンプ・シュワブを挟んで東側の大浦・安部地域と西側の辺野古・豊原地域の地層が異なっていることや地形の隆起状況から、両地域の境に活断層がある可能性が高いことも判明した。立石氏は「存在の証しを得られた」と述べており、活断層の存在が、より明確になった。

 これまで新基地建設予定地の近くの陸上部には「辺野古断層」と「楚久断層」の断層2本の存在が指摘されてきた。県は昨年8月に埋め立て承認を撤回した際、活断層の存在を根拠の一つに挙げた。立石氏は、活断層が海域まで延びていることを確認する本格的調査を県に求める考えだ。

 立石氏は、活断層とみられる断層の活動度はA~Cの3段階のうちB級(千年当たりの平均的なずれが10センチ以上1メートル未満)と推測する。数千年周期で動くレベルだとした上で、今後の周期などを詳細に調べる必要があると指摘した。

 新潟県の原発の安全に関する技術委員も務める立石氏は辺野古弾薬庫に触れ「基地に保管、貯蔵される軍事物資の中身によっては、(活断層の活動による被害で)住民の命が脅かされる。安全性を含め住民の合意を得ることが基本だ」と工事を強行している政府を批判した。一方、東北大講師の遅沢壮一氏(地質学)は「辺野古断層」は、2万年前かそれよりも新しい時期に動いたもので、今後動く可能性が高い「極めて危険な活断層」と指摘している。