【石垣】沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画で、沖縄防衛局は5日、駐屯地整備に向けた掘削工事を始めた。土地の改変を伴う造成工事にも着手した形で、駐屯地建設事業が改正県環境影響評価(アセスメント)条例の適用対象外となる見通しとなった。法令上もアセス実施を回避できる格好となったが、陸自配備が自然・生活環境に与える影響への懸念からアセス実施を求める市民の声は強い。
防衛局は1日から土のう設置などの作業に着手し、掘削の準備が整ったことから5日に着手した。防衛局は「石垣島への部隊配備は南西防衛体制の強化につながる極めて重要な取り組みだ。可能な限り速やかに、配備が実現するよう取り組んでいく」と強調した。
改正県アセス条例は20ヘクタール以上の土地造成を伴う事業にアセス実施を義務付けてるが、本年度中に一部でも事業着手すれば、県条例の適用対象外となる。県環境部の担当者は「掘削工事の内容を確認していない」とした上で、一般的な掘削工事ならば土地の形状の変更に当たり、着手と判断できるとの認識を示した。
周辺住民らは、配備による地下水源の汚染や生態系への影響などについて懸念を示し、アセス実施を求めてきたが、防衛省は「適切に対処するため、影響はない」などとして、アセスの必要性を否定してきた。