処分撤回求め提訴へ 基地従業員ら「配置転換など不当」


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沖縄防衛局の山城昌則労務管理官(右)に基地従業員への処分撤回を求める申し入れ書を手渡す会派おきなわの平良昭一県議(左から3人目)=6日午後、沖縄防衛局

 米軍嘉手納基地で働く日本人従業員16人と米軍キャンプ・フォスターで働く日本人従業員1人が出勤停止など不当な処分を受けたとして、沖縄防衛局を相手取り処分の撤回と損害賠償を求める訴訟を起こす方針であることが6日、分かった。全駐労沖縄地区本部は支援する構えを示している。同日、全駐労沖縄地本の与那覇栄蔵委員長が県議会会派おきなわの議員らと沖縄防衛局を訪れ、公明な真相究明と不当な処分の撤回を求める田中利則防衛局長宛ての申し入れ書を手渡した。

 全駐労によると、2017年12月、嘉手納基地で不祥事が起き、同じ部署で働いていた37人のうち17人が関わった事実を認めた。だが関与を否定した他の20人も関与したと米軍に判断され、解雇処分が下された。その後、全駐労が抗議し解雇は撤回されたが、18年2月末から最長7日の出勤停止処分が下され、数人には「不当な」配置転換も行われたという。20人のうち16人が訴訟を起こす考えだ。全駐労は取材に対し不祥事の内容を明らかにしなかった。

 一方、米軍キャンプ・フォスターでは、業務を放棄しようとした外国人副監督者の腕を日本人監督者がつかんだのは暴力行為だとして、3日間の出勤停止処分を受けた事案があった。外国人副監督者は日本人監督者に大声で暴言を浴びせる行為をしたことが確認されているが、退職し本国へ帰国したため処分は下されなかった。

 全駐労によると、防衛局は申し入れに対し、米軍の処分を問題視していない姿勢を示したという。与那覇委員長は「防衛局は米軍の言い分を追認するだけで労働者を守ろうとしていない。人権侵害も甚だしい。国内法に照らした対応が必要だ」と批判した。