虐待やDV、連携で防止 国際女性デー集会 竹下さん指摘


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竹下小夜子さんの記念講演に聞き入る来場者ら=8日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる

 沖縄県女性団体連絡協議会(大城貴代子会長)は8日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで「3・8国際女性デー沖縄県集会」を開いた。「さよウィメンズ・メンタルクリニック」院長で精神科医の竹下小夜子さんが記念講演をし、「日常的暴力被害と精神科疾患」と題して虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の被害者を支援する際の対応法などを説いた。千葉県野田市の小4女児死亡事件については「(各機関の)横の連携を強化しないといけない」と再発防止へ向けた視点を指摘した。

 約90人が来場し、講演に聞き入った。竹下さんは虐待やDVの特徴について誤解されている点も多いと指摘。例えば虐待やDVの加害者は子ども時代に殴られ、連鎖しているとの言説について「連鎖させている人は全体の3分の1から5分の1にすぎない。自らは親から殴られたことがない人が子どもを死なせるケースもある」と強調した。

竹下小夜子さん

 危険性を認識していないDV被害者に対しては、支援者側が「危ない時にどんな風に自分を守ろうとしているか」などと聞き、被害者側が取れる行動を考え、「セーフティ・プラン」を明確化することが重要だとした。

 来場者からの質問で、小4女児死亡事件についての見解を聞かれた竹下さんは事件発生の背景に「縦割り行政や一人の相談員が抱えるケースが多いということもある。すべての業務をこなすのは困難な現状だ」と指摘した。その上で「彼女の死を無駄にしないためにも、全国どこでも支援が提供されるように、横の情報交換をもっとスムーズに行える制度を考えないといけない」と訴えた。