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陸自、北部で米軍と「訓練」 資料に明記も「研修」と説明 密林の戦闘力向上掲げ

陸上自衛隊が米軍北部訓練場で実施した「訓練」の成果報告をまとめた開示文書。詳細については黒塗りになっている

 【東京】陸上自衛隊が米海兵隊の協力を得て米軍北部訓練場で実施しているジャングル訓練の一端が、開示資料で明らかになった。密林環境下での戦闘員としての能力向上などを目的に、那覇駐屯地の第15旅団傘下の隊員が偵察監視などの訓練をしていた。防衛省や陸自は一連の内容について米軍のジャングル戦課程を利用した「研修」だと説明するが、開示資料では「訓練」と銘打たれ、米軍との共同訓練や一体化に向けた動きが進んでいる側面が浮かび上がる。

 防衛省が民間の研究団体「軍事問題研究会」(東京)に対し開示した文書で分かった。ジャングル戦に関する「衛生」「偵察・監視」「歩兵技術」の3課程について2017年12月~18年2月に北部訓練場で訓練が実施されている。陸自によると、3課程はいずれも米軍のジャングル戦闘訓練に関する教育プログラムで、自衛隊独自のものではないという。

 陸自第15旅団傘下の第51普通科連隊と第15偵察隊は昨年1月、「情報小隊および狙撃班員に対してジャングル環境での作戦行動を教育」するため、米海兵隊とともに訓練を実施した。内容は偵察・監視、潜入、生存技術などで、開示文書にはその成果報告をまとめた資料もあるが、訓練内容は黒塗りにされている。

 そのほか、第15偵察隊の「訓練参加計画」(16年12月)では、17年1月に隊員が実施する「偵察・監視」の訓練内容として、痕跡分析、足跡解析、追跡の三つが挙げられている。目的には「密林環境下における戦闘員としての識能を向上させる」ことが掲げられた。

 防衛省はこれまで、自衛隊組織として任務遂行を目的とするのを「訓練」、隊員個人の知識や技能の向上を目的とするのを「研修」と分け、北部訓練場での陸自の活動は「研修」だと説明している。だが開示文書には「訓練」と記載され、訓練成果報告書には「各部隊と成果を共有」することが掲げられている。

 軍事問題研究会の桜井宏之代表は「『ジャングル』がどこを想定しているのか、海外での活動も考えられ、防衛省は説明するべきだ」と強調する。「陸自の水陸機動団も初めは米海兵隊に学びながら、自前で上陸作戦ができる組織にレベルアップした。ジャングル戦についても研修から訓練の段階へと進んでいるのではないか」と指摘した。