手話交え応急手当学ぶ 沖縄・八重瀬 聴覚障がい者ら講習


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 【八重瀬】八重瀬町内で活動する手話サークル「フラワーハンド」の会員は2月28日、町社会福祉会館で開かれた応急手当講習会(主催・町社会福祉協議会、町ボランティアセンター)に参加した。聴覚に障がいがある3人を含む会員ら約20人が、胸骨圧迫や自動体外式除細動器(AED)の使い方を実践しながら緊急時の対応を学んだ。手話通訳だけでなくスクリーンに話す内容を映し出して説明し、聴覚に障がいがある参加者から「分かりやすかった」と好評だった。

手話通訳とスクリーンで緊急時の対応を聴覚障がい者らに分かりやすく説明した講習会=2月28日、八重瀬町社会福祉会館

 手話サークルフラワーハンドは2010年に発足した。聴覚に障がいがある5人を含む小学生から一般までの約30人が、第2・4木曜に手話を学んでいる。

 応急手当講習会は2年前にも開いたが、緊急時の対応を深く学びたいという会員からの要望で実施した。

 島尻消防組合消防本部警防課の平田佳成さんと普天間巧さんが講師を務め、倒れている人の反応確認から119番通報、胸骨圧迫、AEDの使い方など、救急車が到着するまでの流れを細かく説明し、全員で練習した。

 聴覚に障がいがある森田則子さん(67)と玉那覇栄子さん(69)は、2回目の参加となった。森田さんは「AEDの液晶の絵を見ながら点滅に合わせて心臓マッサージをするのが難しかった。毎年やってしっかり覚えれば安心できる」と継続して学ぶ大切さを強調した。

 玉那覇さんは「実際には慌てて間違えないか心配だ。もし一人だったらと考えると不安だが、メールで通報できるよう早速、申請したい」と感想を語った。