沖縄・読谷合宿、初日から熱 ラグビーW杯日本代表候補


この記事を書いた人 大森 茂夫
パスからキックの練習をする田村優(右から2人目)=11日、読谷村の残波岬ボールパーク(滝畠豊美撮影)

 9月20日に国内で開幕する、ラグビーワールドカップ(W杯)へ向けた日本代表候補による合宿は11日、沖縄県読谷村の残波岬ボールパークで始まった。20日まで。合宿には母親が那覇市出身のSO田村優(30)も参加している。初日からレフリーを入れた本格的な実戦形式のゲームのほか、タックルやキックの練習などみっちり行った。

 合宿は2月4日から東京都町田市から始まり、千葉県浦安市などを経て、読谷村で第6クールを迎えた。38選手が参加する10日間の練習は、アンストラクチャー(攻防ともに陣形が整っていない状況)の攻防や、試合を中心に行う予定だ。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「(沖縄は)気候も暖かく、宿舎から近くて良い。タフなチャレンジ、タフなゲームをしていきたい」と語った。合宿後は、サンウルブズと混成した特別チーム「ウルフパック」と国外で強化試合に臨む予定だ。

◆司令塔・田村優 静かな闘志/母の故郷で大舞台へ準備

 日本代表のスタンドオフとして攻撃の軸となり、プレースキッカーも任されている田村優。ジェイミーHCからも「若手育成のため」とピッチ内外での活躍に期待される30歳の司令塔が、9月の大一番へ向け、沖縄で強化合宿を行っている。

 沖縄は母の故郷でもあり、「休みがあればくる」と休息の地として訪れる。いつもはリラックスムードだが「今日は逆」。練習中は常に引き締まった表情で、ゲーム後はチームメートと細かい連係を確認し合う様子も見られた。初日から「100パーセント出し切り、試合でも出し切りたい」と話した。

 前回の2015年イングランド大会では、1次リーグで強豪・南アフリカを破るなど、歴史的な3勝を挙げた。当時からピッチ上に立ち、最前線で戦い続ける。

 2月から始まった日本代表候補合宿は、序盤から足のけがに苦しんだ。調整で10日間を過ごし、3月下旬からの強化試合に臨む予定だ。着実に迫ってきた9月の大舞台にも「気持ちは前回大会と比較できない。チームで勝つことを目標に、練習から積み上げていきたい」と静かに闘志を燃やした。
 (喜屋武研伍)