沖縄県内の10地点 WHOの推奨値を超過 夜間騒音で睡眠妨害


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墜落事故を受けて一時中止していた飛行訓練を再開する米軍F15戦闘機=2018年6月、嘉手納基地

 2018年に世界保健機構(WHO)欧州事務局が改訂したガイドラインでは、睡眠への悪影響を及ぼすことから夜間の航空機騒音は40デシベル以下にするよう強く推奨している。米軍嘉手納基地周辺で県や市町村が騒音を計測している20地点のうち、2017年度は10地点で年間の夜間騒音平均が40デシベルを超えている。

 ガイドラインは、騒音にさらされることで起こる健康被害に関する研究がまとめられており、夜間騒音が40デシベルを超過すると高い睡眠妨害が起こるとした。

 県内で夜間騒音の年間平均が40デシベルを超過するのは、17年度の調査では北谷町砂辺(57デシベル)、沖縄市美原(53デシベル)、嘉手納町屋良(52デシベル)、同町嘉手納(50デシベル)など10地点。ただ、調査地点の多くは地上で発生する騒音が考慮されない計測方法を採用しているため、航空機のエンジン音など地上音を含めると実際はさらに高い可能性がある。ガイドラインは1日の騒音による健康被害もまとめた。45.4デシベルから10%の人が不快さを感じ、52.6デシベルからは心疾患の発生するリスクが5%高まるとした。55デシベルを超えると子どもの読む力、話す力が1カ月遅れるとした。