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インフルエンサーの〝原石〟発掘 東京で沖縄出身の若者ら起業


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
リレイズの(左から)山城竜樹さん、又吉教太代表、崎原貴さん=東京都内

 会員制交流サイト(SNS)で消費者に影響力のある人物「インフルエンサー」のマネジメントプロダクション「RERAISE(東京、リレイズ)」を沖縄県出身者が立ち上げ、注目を集めている。所属クリエイターは約40人、動画配信アプリTikTokで総ファン数は300万人を超え、既に大手企業の仕事も受けている。又吉教太代表(34)=浦添市出身=は「将来的には株式上場も目指している。いろんな企業と連携して仕事の幅を広げたい」と展望を語る。

ドリンクショップで撮影するインフルエンサーの佐久川偉音さん=那覇市牧志

 リレイズ設立は2018年3月。別のプロダクションに勤めていた又吉代表がこの事業の将来性を予想し、独立した。同じ会社でインフルエンサーを発掘していた崎原貴さん(26)=石垣市出身=を引き抜き、沖縄での事業展開のため、山城竜樹さん(27)=浦添市出身=を沖縄担当として採用した。

 現在、クリエイターは北海道から沖縄まで全国におり、これまでに日本マクドナルドやおやつカンパニー、音楽配信の「AWA」とコラボレーションした。1月末には大手芸能事務所のアミューズを割当先とする1億2千万円の第三者割当増資を実施し、動画制作の強化など事業拡大を図っている。

ドリンクショップを紹介するインフルエンサーの佐久川偉音さん(左)=10日、那覇市牧志

 2月には沖縄でのインフルエンサーのタレントマネジメント事業を開始。女子高生ミスコン18県代表の佐久川偉音さん(16)が県内第1号のインフルエンサーとなり、SNS映えする那覇市内で撮影を進めている。3月中旬に撮影が行われた那覇市牧志のドリンクショップ「amitapi」の黒澤亜美オーナーは「今はオタクのたまり場だが、これからは女子高生のたまり場になるかも」と期待した。

 リレイズはTikTokとマルチ・チャンネル・ネットワーク(MCN)契約を結んでいる。視聴者の開拓、クリエイターのコラボレーションを手がけて、広告収入や企業とのタイアップで収益を得ている。今後は訪日外国人観光客(インバウンド)向けのインフルエンサー事業も行う考えで、3~4年後をめどに東証マザーズへの上場を目指している。

 又吉代表は「TikTokで日本一のプロダクションになりたい。沖縄は原石がいっぱいいる。国内だけでなく、中国や台湾などアジアに向けても影響力のあるインフルエンサーを育成したい」と力を込めた。