社会

96歳の先生と教え子の交流56年 元小学校教師・泉川光子さん カジマヤー迎えた先生に元児童「お母さんみたいな感じ」

教え子たちとの交流を楽しむ泉川光子さん(左端)=19日、那覇市識名

 沖縄県那覇市識名に住む元小学校教諭の泉川光子さん(97)と教え子の金城盛昭さん(66)、安里洋子さん(66)らの交流が今も続いている。カジマヤーを迎えた泉川さんを「先生はお母さんみたいな感じ」と語る金城さん。孫もいる教え子たちを「自分の子どもみたいなもの」と目を細める泉川さん。恩師と教え子の絆は56年を経ても変わることはなく結ばれている。

 泉川さんは18歳で教師になった。赴任した与儀小学校で金城さんらが在籍する4年生のクラスを受け持った。だが、泉川さんは体調不良で倒れて2カ月休んだため「ちゃんと教えられなかった」と負い目を感じていた。翌年も、同じクラスの児童を持ち上がりで受け持ち、金城さんらと2年間を共に過ごした。

 成人式の日に泉川さんの自宅に集まったり、金城さんたちの同級生の模合に泉川さんを呼んだりと、定期的に交流を重ねてきた。20年前から連絡が途切れていたが、昨年金城さんが仕事で識名を訪れた合間に、泉川さんの自宅を訪ね、再び会うようになった。

 19日も、泉川さんの自宅に金城さんと安里さんら教え子が集まった。泉川さんは、金城さんたちを見るなり「盛昭がけがした時は病院までついて行ったのよ」「洋子さんは昔から背が高かった」。56年前にタイムスリップしたように、思い出話が広がった。

 金城さんが「先生がいなかった時は成績が下がった」と明かすと、安里さんも「先生はきれいで優しかった。先生じゃないといやだったな」と振り返った。教え子の中には、6年も泉川さんを担任にするよう校長に陳情した者もいた。泉川さんは「(教え子たちの姿を)見るだけで涙が出る。本当に優しい子どもたち」と涙を浮かべた。

 金城さんは「泉川さんの教え子で小学生時代の話をしたい人は一緒に話をしに行こう」と呼び掛けている。問い合わせは金城さん(電話)090(3793)8066。
 (田吹遥子)