「集団自決」忘れない チビチリガマ 慰霊祭控え清掃


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生い茂った草木を刈り取るなどガマ周辺を清掃する関係者ら=27日、読谷村波平のチビチリガマ

 【読谷】74年前の4月2日に「集団自決(強制集団死)」が起きた読谷村波平の自然壕チビチリガマで、4月6日に執り行われる慰霊祭を前に、遺族会や村観光協会、村役場の関係者ら約30人が27日、同地を清掃した。集まった人々はガマの中に設けられた祭壇に手を合わせた後に作業を開始。1時間半かけて生い茂った草木を刈ったり、周辺をほうきで掃いたりした。

 チビチリガマには毎年、県内外から多くの人が訪れる。村観光協会は犠牲者の冥福を祈ると共に、来訪者に気持ち良く参拝してもらおうと2年前から3月と9月の年2回、清掃活動に取り組んでいる。

 村観光協会の比嘉等事務局長は、平和学習を通し沖縄戦の悲劇を後世へ伝えていくことは観光協会の大事な役目の一つだとし、「チビチリガマは歴史を肌で感じることができる貴重な平和発信拠点。村として保全し、守っていきたい」と述べた。

 母方の祖父母ら5人を亡くした遺族会の與那覇徳雄会長は「また今年もこの時期が巡ってくる。ガマをきれいにすることが少しでも犠牲者の供養になれば」と話した。