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ジュゴン調査、範囲拡大 沖縄防衛局 監視委指摘で方針転換 県の要望には応じず

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に関し、沖縄防衛局は28日に開いた環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院教授)で、天然記念物のジュゴンについて今後3カ月間程度、範囲を広げて生息を調査する方針を示した。ジュゴンが確認されなくなった後、県が調査拡大を求めていたが、防衛局は応じていなかった。今回、委員から指摘があり、方針を変えた。


絶滅危惧種のジュゴン=2008年3月、名護市嘉陽沖(ヘリから撮影)

 2015年からジュゴンの行方が分からなくなり、県は防衛局に環境影響評価(アセスメント)の事後調査として範囲を拡大してジュゴンの生息を調査するよう求めたが、防衛局は「事後調査として行う性格のものではない」(17年度事後調査報告書)との見解を示していた。

 今後追加で実施するヘリコプターからの生息確認調査は、ジュゴンが往来していた古宇利島沖から名護市嘉陽海域までの本島北部の海岸線で月に1、2回実施する。そのほかジュゴンの鳴き声を記録する水中録音装置を追加で設置する。

 これまでにジュゴン2頭(個体A、C)が確認されなくなっており、確認されていた1頭(個体B)が18日に死骸で見つかった。

 ジュゴンの死を受け、委員からは、辺野古への土砂運搬船との関連や、回遊状況の確認など工事との関係を調べるよう意見があったという。

 絶滅危惧種のサンゴ「オキナワハマサンゴ」9群体の移植後の様子も報告された。5群体が良好な状態を維持、改善しているとし、3群体はやや改善か変化がなかった。一方、1群体は白化が進行し、部分死が見られた。

 中村委員長は、サンゴの幼生が確認できたとし「高水温期に移植され懸念があったが、着実な移植と評価できる」と述べた。