旅の計画時点で大分県から阿蘇を超え熊本県への豊後街道を通りたいと思っていた。資料を集めると次第に歩きの旅は困難だと知った。長距離にわたって宿や食堂・店が無いからだ。地震後で道路の復興も中途で、阿蘇山越えが最大の難所と覚悟した。解決策が浮かばないまま、八幡浜から臼杵行きのフェリーに乗った。下船後に「なみの高原に宿が見つかった」と、福岡のサポーターからメールが入った。救われた!
「なみ高原 やすらぎ交流会館」はこの時期は閉館しているが、道路工事の作業員が滞在し、宿泊と朝晩の食事が可能とのこと。
やすらぎ交流会館は旧小池野小学校が1999年に閉校し、2014年に交流の場として再活用された。オフシーズンでもメニューは近所の主婦による家庭料理とあってうれしい。地元の交流の場として月に一度は「旬菜家庭料理レストラン」が開かれるという。
住民と行政がかみ合っているからこそ成功している好例で、設備が整っているばかりではなく、手入れが行き届き、従業員の人柄も温かく対応が素晴らしかった。
現地には、「参勤交代徒歩の旅」というのがあり、小中学生200人が毎年夏の初めに1週間かけて125キロを歩く体験をする。40年以上の歴史があり、外国からの参加もあるとか。沖縄からも参加してはいかがかと思いが募る。
2018年10月25日 阿蘇市
(比嘉良治、ニューヨーク通信員)
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昨年9月にスタートした比嘉良治さんの「江戸から琉球の旅」は、東京の日本橋から沖縄まで3カ月かけて歩く予定でしたが、諸事情により熊本城で中断することになりました。連載も休載します。