【嘉手納】臍帯血(さいたいけつ)を用いた再生医療への理解を深めるパネル展が沖縄県嘉手納町役場1階エントランスホールで始まり、15日にオープニングセレモニーが開かれた。26日まで。公的機関でのパネル展は、北中城村に続き2例目。脳性まひのある後藤万然さん(7)=北中城村=の写真の展示のほか、研究や学習会についての資料、新聞記事、映像などが見られる。
パネル展を主催する万然さんの父後藤道雄さん(67)は「臍帯血が難治疾患を救うかもしれない。たくさんの方に足を運んでもらいたい」と、理解を求めた。
臍帯血はへその緒や胎盤に含まれる血液で、脳性まひや自閉症などの治療に効果が期待される。国内では、自身の臍帯血を投与する臨床研究は進むが、きょうだい間や他者間での移植は認められていない。
道雄さんはきょうだい間の投与が認められれば、生後4カ月の息子心然ちゃんの臍帯血を万然さんに投与することを計画している。
欧米をはじめとする諸外国と比べ国内では臍帯血治療への理解と実績がないとし、道雄さんは臍帯血を用いた再生医療に対する認知度の底上げが喫緊の課題だと指摘する。理解者が増えれば国内でも臨床研究が進む可能性があるとして、今後も精力的に県内外でパネル展や講演会を実施していくという。
セレモニーには道雄さんと親交のある當山宏町長も参加した。當山町長は「臍帯血の可能性や需要は未知数だが、再生医療の分野でかなり期待できることは伺っている。町として活動を後押ししたい」と激励した。
会場では治療に賛同する署名を募る記帳台も設置されている。
道雄さんは6月に東京都で講演会を開くほか、7月には厚労省の担当者と面談し、集まった署名を提出する予定だ。