【島人の目】「同盟の大切さ論」を考える


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 外務省から派遣されてニューヨークに滞在した沖縄県出身の高校生や大学生ら計24人が3月25日、キャロライン・ケネディ前駐日米大使と面会したと共同通信が伝えた(本紙3月27日付掲載)。ケネディ氏は沖縄が日米同盟に重要な役割を果たしているとして「同盟は皆さんの地域に大きな影響を与えている」と沖縄の基地負担の大きさに理解を示し、米国訪問は学生らが「同盟の複雑さ」を学ぶ機会にもなると述べたとも報じている。

 はっきり言ってこれだけのニュースでは外務省がどんな理由で沖縄の学生らをニューヨークに派遣し、学生らが何を主に学んだかなどの詳細をつかむことはできないが、ケネディ氏の「同盟の大切さ論」の意味するものを推察することはできる。

 外務省の狙いを推察すると、沖縄の若者は米軍基地問題、特に辺野古の新基地建設関連で日本政府に疑問や不信感を抱いているかもしれないが、米国の有識者に直接会って世界的視野で見聞を広めて将来に臨んでほしい、との趣旨が込められているのではないか。

 名護市辺野古の新基地建設計画に対する私の意見は県外移設希望だ。日本政府が仲井真弘多元県知事の辺野古沿岸埋立承認を理由に、頑として他の意見を取り入れないことは残念だ。 

 最近とみに沖縄独立論がささやかれるが、私は反対である。独立したら中国やロシア、北朝鮮の手が伸びてきて、今以上に沖縄の立場は困難を窮め、県民の民主主義は今以上のものにはなりえないと信じる。 

 (当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)