妊娠させて帰国、DVや言葉の壁… 米軍人・軍属との婚姻、交際トラブル相談が12年で約9倍増 マッチングアプリが影響か


この記事を書いた人 大森 茂夫
「自分一人の力では解決できなかった」と話す相談者の女性=4月、県内

 米軍人や軍属との交際、結婚にまつわるトラブルが後を絶たない―。2018年に国際的な男女間のトラブルの相談支援を行うNPO団体「ウーマンズプライド」に相談を寄せた人は87人に上り、NPO開設当初の約9倍に増加した。ドメスティックバイオレンス(DV)や命に関わる深刻な事態に発展しかねないケースもあったといい、代表のスミス美咲さん(42)は「軍人との交際や結婚は想像以上に大変。軍の知識や語学力も身に付けて交際してほしい」と話す。

 開設当初の07年は面会相談8人、電話相談2人の計10人だった。活動が周知され、11年には30人を突破し、最近3年間は県内在住者の面会だけで年間50人を超えた。

 関東や長崎県など米軍基地がある県外に出張相談に行く機会も増えているという。

 相談者が増えた背景について、スミスさんはスマートフォンの出会い系アプリやマッチングアプリの普及があると指摘する。

 短期駐留の軍人が女性を妊娠させて帰国するといった悪質なケースもあるという。

 離婚や養育費の請求など軍が関わる手続きは、書面の和訳や英訳などに手間がかかる上に困難が多い。

 DVなど身体や命に関わる場合は、米軍から軍人に接触や接近を禁じる軍事保護命令「MPO(ミリタリー・プロテクティブ・オーダー)」を出すよう求めることができるが、多くの相談者が知らないという。相談機関もほとんどないのが現状だ。

 スミスさんは「何かあればすぐに相談してほしい」と呼び掛けている。

 ホームページはhttp://okinawawomenspride.blogspot.com
 (高田佳典)