沖縄に行ったら飲みたい!沖縄のソウルドリンク「さんぴん茶」 口当たりさっぱり 沖縄料理に合う!〈平成・沖縄生まれ「食」④〉


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歴代のさんぴん茶商品。現在、缶入り飲料は販売しておらず、ペットボトルのみになっている=那覇市前島の沖縄ポッカコーポレーション

 「チャッチャッチャチャチャ!」と沖縄の童歌「じんじん」の替え歌で流れるテレビCMを覚えている人も多いだろう。さっぱりとした口当たりで今や“県民飲料”としての地位を確立している「さんぴん茶」。1993(平成5)年に、その缶入り飲料を初めて発売したのは沖縄ポッカコーポレーションだった。

 さんぴん茶は琉球王朝時代から県内で飲まれたとされており、1900年代以降、一般に普及していった。ただ商品開発当時は、お茶は「家庭で飲むもの」「わざわざお金を出して買うものじゃない」という認識がほとんどだった。

 そんな折、ポッカコーポレーション(現ポッカサッポロフード&ビバレッジ)の沖縄営業所長だった水田正明さん(現フォーモストブルーシール社長)は、ポッカ創業者の故谷田利景氏から背中を押された。「県外では緑茶の缶飲料が売れ始めている。ならば沖縄で広く飲まれているさんぴん茶を売れば成功するんじゃないか」。商品化が決まった瞬間だった。

 当初、スーパーや卸業者の反応は冷たかった。水田さんは「あちこーこーで飲むさんぴん茶を、冷やして販売することにお叱りを受けた」と振り返る。あきらめずに営業を続け、97年にテレビCMを開始。次第に認知度も広がり、現在では複数の飲料メーカーがさんぴん茶やジャスミン茶の製品を発売し、スーパーやコンビニの飲料棚で定番となっている。

 水田さんは「県民のソウルドリンクとして今後もあり続ける。『令和』という元号になっても変わらないと確信している」と思いを語る。

 沖縄ポッカコーポレーションの坂巻幸夫社長は「沖縄だけで発売し、26年間おおむね販売が伸びている。歴史と伝統を次の時代につなぎたい」と“元祖”の意気込みを示した。

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 コンビニのコーヒーやチキン、さんぴん茶は今や県民だけではなく、県外でも広く消費される。沖縄のソウルフードの一つ、ポーク卵おにぎり、県民の胃袋を満たしてきたステーキも、近年は観光客を中心に高い人気を誇っている。沖縄で生まれ、県民に愛され、観光客にも受け入れられる―。そんな食品や飲料を紹介する。