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夢の舞台へ一心に 世界パラ陸上競技マラソン選手権出場 喜納翼「沖縄のため」活躍誓う

世界パラ陸上競技選手権ロンドン大会へ向けて意気込む喜納翼=17日、沖縄市陸上競技場

 夜のナイター照明に照らされた陸上競技場。競技用車いす(レーサー)のハンドリング(駆動輪)を力強くたたき、トラックを何周も駆け回る喜納翼(タイヤランド沖縄)の姿があった。2020年東京パラリンピックの選考を兼ねた世界パラ陸上競技マラソン選手権大会(28日、ロンドン)を前に、一心不乱に練習に打ち込んでいる。「自分を育ててくれた人たち、沖縄のために」と夢の舞台へ突き進む。

 昨年11月の大分国際マラソンの女子T34・53・54クラスに出場し、自己新記録の1時間39分36秒で2連覇を達成。世界選手権への内定をつかんだ。世界選手権では各種目の上位4選手の自国に対して、東京パラ出場の1枠が与えられる。

 下地隆之コーチから誘いを受け、14年から車いす陸上を始めた。強みは長身から腕のリーチを生かし、ハンドリングに長く触れられることで、より多く力を伝えることができる。明るい性格で練習に対しては真剣に取り組む。日本パラ陸連で強化委員を務める下地コーチの的確な指導もあり、着実に力をつけていった。

 週6日、仕事の合間を縫って昼は関節可動域のトレーニング。仕事が終わると競技場で毎晩2~3時間、多い日で30キロ以上走り込む。厳しい練習に耐えられるのは「地元沖縄」が原動力の一つだ。県外の大きな企業から誘いを受けたこともあるが「自分を育ててくれた地域のため、沖縄でやりたい」と断った。

 世界選手権で使われるロンドンのコースは起状が激しい難関コースだ。昨年4月にマラソンワールドカップでも経験していて、1時間52分19秒で世界10位と世界の壁を痛感した。

 この1年間、レーサーをアルミから走行の安定性が増したカーボンに変えた。無駄な脂肪も落ちて筋肉がつき、世界で戦える選手に成長した。下地コーチは「練習中は弱音をはくこともあるが、レースになると別人」と心身共に成長していることに期待を寄せる。大会へ向けては「今できるベストな走りをする」と意気込む喜納。大舞台へ向け一歩ずつ進んでいく。
 (喜屋武研伍)



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