糖類活用した商品開発へ 沖縄高専と伊藤忠製糖が共同研究ラボ開設 βグルカンの効能に期待


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
共同研究ラボの開所について説明する伊藤忠製糖の佐藤浩雄社長(中央)、農学博士で研究開発室長を兼任する平林克樹執行役員(右)、沖縄高専の池松真也教授=25日、県庁

 沖縄工業高等専門学校(安藤安則校長)と伊藤忠製糖(佐藤浩雄社長)は25日、沖縄の素材や微生物などを活用した製品を開発することを目的に、うるま市の沖縄ライフサイエンス研究センターに共同研究ラボを開設した。糖類の一種で健康上の有用効果が期待されるβ(ベータ)グルカンなどを活用した商品の開発を進める。県庁で記者会見し、発表した。

 沖縄高専は2016年から伊藤忠製糖と一関、苫小牧、福島の3高専と連携し、同社が開発を進めるβグルカンについての共同研究を開始した。17年10月から県の「沖縄科学技術イノベーションシステム構築事業」を活用し、泡盛蒸留かすなど沖縄の素材を原料とした健康効果が高い新たなβグルカンの培養、合成に取り組んできた。

 共同研究ラボには国内に数台しかない「1分子シーケンサー」という遺伝子を解析する機器を導入している。βグルカンは分子量の多寡で効用が変わるとされているといい、同機器を活用して遺伝子レベルの分析を進め、新たな効用の発見も目指していく。

 研究に携わる沖縄高専の池松真也教授は「伊藤忠製糖と連携し、県の資産を最大限活用しながら研究成果を上げたい」と意気込んだ。伊藤忠製糖の佐藤社長は「会社は砂糖の原料を沖縄などから仕入れており、昔から関わりが強い。共同研究できることをありがたく思う」と喜びを語った。