prime

「国際通りはどれだけ増えても入る」 密集も相乗効果を期待する既存ホテル 拡大、多様化するホテル(3) 〈熱島・沖縄経済〉7


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 土産品店や飲食店が軒を連ね、沖縄最大の繁華街として知られる那覇市の国際通り。那覇を拠点に連泊して各地を訪れる旅行形態が増え、ホテルが密集している。ホテル関係者からは「国際通りはどれだけ増えても入る」と強気の声も聞こえる中、利便性の高い沖縄都市モノレールの駅近くでも建設計画が進んでおり、今後さらに増える見込みだ。

 那覇市内のホテル・旅館の施設数は2017年末現在、137軒、客室数1万5300室で収容人数は3万944人。国際通り沿いに限定しても約20施設あり、周辺地域も含めるとさらに多い。今年新たにオープンを予定するホテルだけでも、ホテルコレクティブ那覇、EXES NAHA、東急ステイ、ホテルランタナなどがあり、建設・計画中のホテルも多数。外資系や国内ブランドの進出も予定されている。

 今年の開業で注目を集めているのが台湾の嘉新水泥(嘉新セメント)が展開するホテルコレクティブ那覇だ。国際通りのシンボル国映館跡地で建設工事が進められ、11~12月に開業予定だ。13階建て敷地面積4794平方メートルのひときわ大きな外観は競合や業界関係者だけでなく、道行く観光客らの視線も集める。同ホテルには商業施設も併設されるため、観光誘客につながるとみて周辺ホテルも歓迎している。

 斜め向かいにあるホテルJALシティ那覇もその一つだ。中西玄七郎総支配人は「商業施設もできるので、よりにぎわうのでは。客層もバッティングしないだろう」と語る。同ホテルは昨年、06年の開業以来初となる改装を実施した。開業当時はビジネス客やリゾート後の最終日の1泊の観光客をターゲットにしていたが、改装はそこからの転換が狙いだった。シングルの客室は半減させ、3~4人の部屋を増設、居住スペースも広げた。客室やホテル入り口には“SNS映え”する紅型デザインを取り入れるなど、レジャー客をより意識した。

 経済発展著しいアジア各国から近い沖縄には、買い物や市内観光を目的とした外国人観光客も増加。那覇を拠点にした旅行形態が増え、国際通りなど那覇市中心部にホテルが密集する一因となっている。

 那覇市国際中央通商店街振興組合の中西久治理事長は「ホテルコレクティブ那覇には宴会場もできると聞くので、地元の人も増えるのでは」と語る。観光客を引き付ける国際通りのホテルには相乗効果も期待されている。

(「熱島・沖縄経済」取材班・仲村良太)

(琉球新報 2019年1月30日掲載)