沖縄電力6年ぶり増収減益 19年3月期 初の売上高2千億円超も経常利益は37%減


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 沖縄電力(本永浩之社長)は26日、2019年3月期の連結決算(対象子会社12社)を発表した。販売電力量は前期を下回ったが、燃料費調整制度の影響により電力料金が引き上げられ、売上高は前期比4・8%増の2054億8100万円となった。連結で売上高が2千億円を超えたのは初めて。一方燃料費や他社購入電力量が増加したことから費用が増え、経常利益は同37・7%減の52億2千万円、純利益は同40・2%減の37億5100万円と6年ぶりの増収減益となった。

 単体の売上高は同4・2%増の1959億6千万円、経常利益は同41・6%減の36億9400万円、純利益は同40・6%減の30億3400万円だった。

 販売電力量は同4%減の74億5300万キロワット時。主に一般家庭向けの電灯は気温が夏場は低めに冬場は高めに推移したことで冷暖房需要が減少し同5・7%減の29億6千万キロワット時、大規模事業所などを対象とする電力は他事業者への契約切り替えなどで同2・8%減の44億9300万キロワット時。

 費用面では燃料単価の増加や、石炭を使う金武火力発電所1号機と2号機が計画外の修繕により合計88日間稼働を停止したため、単価の高い石油で発電したことなどから燃料費が同18・5%増の540億7千万円となった。

 電力自由化の影響について、本永社長は、1月時点で新電力の比率は全電力の3・7%だったとして「今後も、自由化は進むだろう」との認識を示した。

 20年3月期の見通しは、売上高が0・5%増の2065億円、経常利益は37・9%増の72億円、純利益は46・6%増の55億円を見込んでいる。

 19年度から21年度の中期経営計画も発表した。財務目標として、20年度に90億円以上、25年度に120億円以上の経常利益を目指すとしている。重点施策として(1)電気とガスの販売拡大などグループ収益の拡大(2)徹底したコスト低減と効率化(3)エネルギー安定供給のさらなる強化―を掲げた。