戦争にくみしない覚悟が必要 新聞の役割で元毎日新聞大阪本社編集局長


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沖縄戦の継承と新聞が果たす役割について講演する藤原健さん=27日、糸満市の長谷寺

 元毎日新聞大阪本社編集局長で本紙客員編集委員を務める藤原健さんの講演会「ジャーナリストの魂(マブイ)を求めて」(基地・原発・憲法を考える推進ネットワーク主催)が27日、糸満市の長谷寺で開かれた。

 藤原さんは戦後沖縄の新聞ジャーナリズムと沖縄戦報道を分析し、沖縄戦継承の展望をまとめた論文を「魂(マブイ)の新聞」(琉球新報社)として刊行している。執筆の経緯や自身の経験に触れながら、沖縄戦の経験をどう継承していくのか、求められる新聞の役割などについて話し、市民ら約40人が耳を傾けた。

 沖縄の新聞は戦時中に戦争をあおりながら、戦争の激化で廃刊を余儀なくされた歴史がある。藤原さんは「戦時中の沖縄の記者は国に対峙(たいじ)せず、住民を戦争へと向かわせる動きに加担し強者の論理に身を置いてきた」と指摘。その報道への反省を踏まえ、「『二度と戦争にくみしない』という覚悟と行動が新聞人には求められている。新聞はただ発行を続けることのみが仕事ではない」と説いた。