天皇陛下が即位した1日、県内の学校は祝意を表明するための日の丸を掲揚した。雨が降っていたため、屋外に掲揚したのは一部にとどまり、屋内やベランダに掲揚した学校もあった。
政府は4月2日、地方公共団体や学校などに対し、国旗掲揚を促すことを閣議決定し、各省庁に通知した。文部科学省は都道府県教育委員会を通じ、市町村教育委員会や各学校に周知した。
1日は祝日で、教員の時間外勤務は学校行事や災害対応などの4項目に限られていることから、校長などの管理者が掲揚の業務に当たった学校もあった。
県内のある公立小学校校長は「県教育長名で国の要請を通知する文書が流れていた。多くの学校は何かしらの対応をしたのではないか」と話した。
高嶋伸欣・琉球大名誉教授(社会教育学)は「政府は天皇制の問題点を振り返ることなく、学校でナショナリズムにつながる日の丸掲揚を促している。前天皇の努力で天皇に対する沖縄の人の心情が良くなっているが、天皇の人柄と天皇制は別だ。戦争で天皇制がどういう事態を招いたのかを忘れてはいけない」と指摘した。
また「要請という形だが、学校にとっては強制とも受け取れる。地方自治の観点からも問題だ」と話した。