沖縄初の精密金型工場を設置へ 東証1部上場の第一精工 来年以降に製造開始、国内外へ輸出


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 東証1部上場で精密部品製造などの第一精工(京都市、小西英樹社長)が、自動車の電子部品を加工するための「精密プレス金型」を製造する工場をうるま市州崎に設置した。沖縄で同様の金型を作っている企業はないといい、同社は国の補助事業を活用し、金型の県外・海外への移出、輸出を進める。

第一精工がうるま市の工場で製造する「精密プレス金型」(同社提供)

 沖縄総合事務局が2019年度の沖縄国際物流拠点活用推進事業の補助金交付先に決めた。

 沖縄進出の理由について同社は「県内に製造業が少ないため、沖縄工業高等専門学校をはじめ、琉球大学の工学部や工業高校で機械の専門技術を学んだ学生の就職先が少ないとの話を聞いたことがきっかけ」と説明した。今後3、4年で15人ほどの現地採用を予定しているという。

 4月にうるま市州崎の賃貸工場を借りており、現在内装工事と設備導入に向けた作業を進めている。5月にも現地法人を立ち上げる。年明け以降に製品の製造を開始し、4、5年で2億円の売り上げを目指す。製品は国内をはじめ中国、シンガポール、アメリカなど、同社の系列会社の工場に輸出する予定。

 精密プレス金型とは、金属などの原材料に荷重をかけて製品を加工・成型するために用いる金型。製造には高度な技術を要するため、同社は現地採用の社員を数年かけて育成する。

 沖縄総合事務局の補助金交付先は同社のほかに高級基礎化粧品の受託生産を進めるポイントピュール、食物アレルギー対応の業務用総菜の生産に取り組むダイユウ産業が選ばれた。