前半に先行されるも守備を修正して第3Qでキングスの反撃で逆転。第4Qで逆転を許してじりじり引き離された後半残り約1分。相手シュートが外れ、ケビン・ジョーンズらがリバウンドに飛ぶも、はねたボールはA東京に渡った。竹内譲次に本試合初シュートで3点を決められて逆転が遠のく9点差に。最終盤に勝負どころを奪われた接戦に岸本隆一は「小さなほころびを5日は見逃さずにいきたい」と気を引き締めた。
キングスもA東京も攻撃はピック&ロールが起点、守備は素早いスイッチを展開。身長差でA東京に利があるが、キングスは激しいボールプレッシャーからアイラ・ブラウンがスチールを決め、須田侑太郎も3点弾を沈めて善戦。第2Qは強度を上げたA東京の守備に対して、岸本隆一の虚を突くドライブインやキックアウトでチーム全体の視野が広がる。が、古川孝敏は抑えられて0点のまま。
しかし、後半に強い今季のキングスはスイッチ守備でA東京の攻撃の起点をつぶす。ブラウンが「相手のリズムを壊す」と体を張り「個人能力の高い相手に50%のタフショットに持ち込めた」と、得意のフィジカルで応戦。味方のミスから速攻を許しても素早い瞬発力で戻り、豪快にブロックショットに成功。直後にマッチアップする相手からスチールを奪ったが「流れを引き寄せたのは嬉しいが、それを40分間維持しないと勝てない」と、後半も勝負強さを維持したA東京との差を振り返った。
戦術、フィジカルともに熱戦を繰り広げたがチームのターンオーバー数はキングス15、A東京8。不調の並里成は1人で8だが「しっかり食べて寝たら大丈夫。自分を取り戻し、チームを勝ちに導く」と引きずらない。佐々HCも「すごい才能の持ち主だが一番悪いところが出た。でもこういう経験も大事。5日に『スーパー成』になるか楽しみ。ファイトしてほしい」と奮起を促した。
(嘉陽拓也)
プロバスケットボールBリーグ1部のチャンピオンシップ(CS)2018―19の準決勝第1戦は4日、沖縄市体育館で行われ、琉球ゴールデンキングスはアルバルク東京に57―67で敗れた。キングスは出だしは好調で並里成や田代直希がA東京の攻める手を抑えてミスを誘う。A東京は素早く修正し、ゴール下を固めた守備と激しい重圧をやり返すと、キングスがペースダウン。キングスはシュートが決まらず、第1クオーター(Q)後半から追う展開となり、第2Qは攻め手を欠く中、岸本隆一のドライブで流れを戻しかけた。だが、形勢は変わらず我慢比べのまま29―37で後半へ。後半はキングスの素早い守備でA東京のシュート成功率を下げると、3点弾を重ね逆転。しかし、速攻時のパスミスなど流れをつかみきれない。第4Qに攻撃を修正したA東京に逆転を許すと、ファウルゲームをしかけるものの逃げ切られた。準決勝の第2戦は5日午後1時5分、同体育館で行われる。第2戦で勝利した場合は7日午後7時5分から同体育館で第3戦を行う。準決勝のもう1試合は千葉が栃木を75―67で退けた。
【B1チャンピオンシップ】
▽準決勝第1戦(沖縄市体育館、3677人)
A東京(ワイルドC)1勝
67―57(19―13,18―16,6―16,24―12)
キングス(西地区1位)1敗
【評】キングスは田代直希や古川孝敏がA東京の馬場雄大を抑えるなど奮闘するが、第1Qから攻撃で攻め手を欠き、リードを許す。第2Qはパス回しの攻撃から岸本隆一のドライブが点につながったが、両チームともにタイムアウトで流れを切り合い29―37で東京が先行する展開を維持される。後半はスイッチ守備でA東京のシュート精度を落とすと、第3Qだけで16―6と逆転。第4Qは馬場の素早さを起点にした相手攻撃に逆転を許し、攻撃のミスも影響して敗れた。