ロースコアの展開の中、ジェフ・エアーズがキングスで唯一となる2桁得点の活躍をみせた。206センチの長身と高いシュートセンスを生かし、内と外のプレーを使い分けて17点を奪取。アルバルク東京の固い守備でキングスのミスが相次ぐ中、「オープンであれば積極的に打つ」姿勢を貫き、要所でシュートを沈めてチームを引っ張った。
際立ったのは10点ビハインドで迎えた第3Q開始約30秒。ダブルチームに付かれ、ファウルをもらいながらもゴール下のシュートをねじ込み、3点プレーを完成させた。これがきっかけでキングスは13連続得点を上げ、逆転に成功。その後もリードを奪うミドルジャンパーや追い上げのダンクを決めるなど、最後まで積極性を維持した。
「攻撃リバウンドやルーズボールに飛び込み、つなぐ意識をしていた」と言う通り、得点以外でもチーム最多の8リバウンド、2スチールと縦横無尽の活躍。しかしチームはA東京の堅固な守備の前にターンオーバー15を犯し、惜敗した。
試合後、「いい守備はしたが、ミスで余分な攻撃を与えると自分たちの首を絞める。(チームとして)改善したい」と少しうつむき加減で語ったエアーズ。それでも最後は「自信を持って臨めば結果は付いてくる」と前を向いた。
(長嶺真輝)
プロバスケットボールBリーグ1部のチャンピオンシップ(CS)2018―19の準決勝第1戦は4日、沖縄市体育館で行われ、琉球ゴールデンキングスはアルバルク東京に57―67で敗れた。キングスは出だしは好調で並里成や田代直希がA東京の攻める手を抑えてミスを誘う。A東京は素早く修正し、ゴール下を固めた守備と激しい重圧をやり返すと、キングスがペースダウン。キングスはシュートが決まらず、第1クオーター(Q)後半から追う展開となり、第2Qは攻め手を欠く中、岸本隆一のドライブで流れを戻しかけた。だが、形勢は変わらず我慢比べのまま29―37で後半へ。後半はキングスの素早い守備でA東京のシュート成功率を下げると、3点弾を重ね逆転。しかし、速攻時のパスミスなど流れをつかみきれない。第4Qに攻撃を修正したA東京に逆転を許すと、ファウルゲームをしかけるものの逃げ切られた。準決勝の第2戦は5日午後1時5分、同体育館で行われる。第2戦で勝利した場合は7日午後7時5分から同体育館で第3戦を行う。準決勝のもう1試合は千葉が栃木を75―67で退けた。
【B1チャンピオンシップ】
▽準決勝第1戦(沖縄市体育館、3677人)
A東京(ワイルドC)1勝
67―57(19―13,18―16,6―16,24―12)
キングス(西地区1位)1敗
【評】キングスは田代直希や古川孝敏がA東京の馬場雄大を抑えるなど奮闘するが、第1Qから攻撃で攻め手を欠き、リードを許す。第2Qはパス回しの攻撃から岸本隆一のドライブが点につながったが、両チームともにタイムアウトで流れを切り合い29―37で東京が先行する展開を維持される。後半はスイッチ守備でA東京のシュート精度を落とすと、第3Qだけで16―6と逆転。第4Qは馬場の素早さを起点にした相手攻撃に逆転を許し、攻撃のミスも影響して敗れた。