ベンチスタートでも強い精神力をセットし、持ち場の守備で力を発揮する須田侑太郎が、高いレベルの駆け引きが続いたA東京戦でチームの粘りと爆発力につなげた。一時逆転する猛攻となった第3Qには、相手外国人をボックスアウトし、アイラ・ブラウンのリバウンドにつなげるなど、数字に表れないプレーを積み上げた。だが「チームとして準備したことを遂行するだけ。そこが大事。目立っても目立ってなくても」と淡々と語った。
準々決勝からボールへの執着心が高く、佐々宜央HCは「須田のファイトや反応の速さはCSの戦いに欠かせない」と高く評価していた。準決勝では第1Qの途中から出場。24分間の出番の中で、ルーズボールへの嗅覚の高さを発揮し、第3Qはスイッチ守備を修正してA東京を苦しめた。相手スコアラーの馬場雄大に対しても「めっちゃ速いっすけど、やられた印象もないし、ゲームを支配されてもいない」とし、改善は見えている。
今季はけがで欠場した期間もあったが、ブレない仕事ぶりでHCの信頼に応え続けている。5日を今季最終戦にしないため「集中力を40分維持すれば技術も出せるし、ルーズボールやリバウンドで勢いを見せたい」と強調。「(ホーム戦という)アドバンテージで不思議とシュートも入るし、(波に)乗れるので、一緒に戦ってほしい」と、応援するファンとも団結して一勝を取る覚悟を語った。
(嘉陽拓也)
プロバスケットボールBリーグ1部のチャンピオンシップ(CS)2018―19の準決勝第1戦は4日、沖縄市体育館で行われ、琉球ゴールデンキングスはアルバルク東京に57―67で敗れた。キングスは出だしは好調で並里成や田代直希がA東京の攻める手を抑えてミスを誘う。A東京は素早く修正し、ゴール下を固めた守備と激しい重圧をやり返すと、キングスがペースダウン。キングスはシュートが決まらず、第1クオーター(Q)後半から追う展開となり、第2Qは攻め手を欠く中、岸本隆一のドライブで流れを戻しかけた。だが、形勢は変わらず我慢比べのまま29―37で後半へ。後半はキングスの素早い守備でA東京のシュート成功率を下げると、3点弾を重ね逆転。しかし、速攻時のパスミスなど流れをつかみきれない。第4Qに攻撃を修正したA東京に逆転を許すと、ファウルゲームをしかけるものの逃げ切られた。準決勝の第2戦は5日午後1時5分、同体育館で行われる。第2戦で勝利した場合は7日午後7時5分から同体育館で第3戦を行う。準決勝のもう1試合は千葉が栃木を75―67で退けた。
【B1チャンピオンシップ】
▽準決勝第1戦(沖縄市体育館、3677人)
A東京(ワイルドC)1勝
67―57(19―13,18―16,6―16,24―12)
キングス(西地区1位)1敗
【評】キングスは田代直希や古川孝敏がA東京の馬場雄大を抑えるなど奮闘するが、第1Qから攻撃で攻め手を欠き、リードを許す。第2Qはパス回しの攻撃から岸本隆一のドライブが点につながったが、両チームともにタイムアウトで流れを切り合い29―37で東京が先行する展開を維持される。後半はスイッチ守備でA東京のシュート精度を落とすと、第3Qだけで16―6と逆転。第4Qは馬場の素早さを起点にした相手攻撃に逆転を許し、攻撃のミスも影響して敗れた。