人口600人の島に笑顔 戦中戦後駆け抜けた97歳のカジマヤー祝い 沖縄・座間味島


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ひ孫とオープンカーに乗り笑顔を見せる宮平ウメさん=4月28日、座間味村座間味の自宅前駐車場

 【座間味】座間味村座間味で4月28日、数え年97歳の長寿を祝うカジマヤーと道ジュネーが行われた。カジマヤーを迎えたのは座間味地区の宮平ウメさん(96)で、1923年3月14日生まれ。華やかに飾り付けたオープンカーに乗り、自宅から集落内を家族や親戚、地域の人々と回った。三線の音に道行く人がカチャーシーを舞い、長寿にあやかった。

 宮平さんは阿嘉島出身。戦後に親の勧めで座間味島へ嫁いだ。当時の座間味島は壊れて家もなく、夫婦で谷から木を集め、一から家をつくった。食料も無く、2人でサバニを漕いで阿嘉島に取りに行った経験もあるという。

 この日は、座間味離島振興総合センターで、家族主催の「カジマヤー祝い」があった。座間味村役場や青年会、デイサービス座間味偕生園の協力で催された。会場には沖縄本島や阿嘉島、地域の人々が集い、お祝いの言葉が相次ぐ一方で、踊りや歌でカジマヤーを祝った。

道ジュネーで三線の音楽に乗りカチャーシーを踊る参加者=座間味集落

 娘の照屋順子さん(66)は「去年の暮れに2度目の骨折をしたが、戦中戦後の激動の時代を体験した強さから骨折にも負けず元気に過ごしている。元気の秘訣(ひけつ)はよくしゃべること」と語った。今は青春時代を振り返り、世界中の人が戦争をせず仲良くしてくれたらいいなと願っているという。

 現在はデイサービスに通い、毎日楽しく過ごしている。長寿の秘訣は、過去と向き合いながら、楽しく過ごすことのようだ。