チームで2番目に長い28分間、コートに立ち、ほとんどの時間をアルバルク東京のエース、馬場雄大とマッチアップした田代直希。相手との「間合い」を意識した守備で、馬場を第1戦の半分に当たる7得点に抑え「今日は気持ち良くプレーさせなかったと思う」と自信をのぞかせた。
離れて守ると楽に外角シュートを放たれ、近すぎると鋭いドライブでかわされる。馬場の自在なプレーに手を焼いた第1戦を通して「この間合いならシュート、この間合いならドライブ」と守備の距離感を体に刻み、臨んだ第2戦。馬場のドライブに対するチーム全体のファウルも第1戦から激減し「個人個人がアジャストできた」と手応えをつかんだ様子だ。
常々「自分は気合を入れると空回りする」と自戒し、落ち着いてプレーすることを心掛ける。一方で「アグレッシブにやるのが仕事」と自覚し、プレーの熱を切らさない。身長188センチながらリバウンドにも積極的に飛び込み、4つの守備リバウンドを奪った。
他方、攻撃面では課題が残った。勝負所の4Q残り2分3秒、リードを4点に広げるレイアップをファウルを受けながらも沈めたが、フリースローを外す。試合を通し3ターンオーバーで「判断が良くなくて足を引っ張ってしまった」。
しかし「落ち着き」を意識する田代は「反省点を残したが、改善できる」と引きずらない。第3戦は守備はもちろん、攻撃でも貢献する意気込みだ。
(長嶺真輝)
【B1チャンピオンシップ】
▽準決勝第2戦(沖縄市体育館、3688人)
キングス(西地区1位)1勝1敗
62-56(11―10,17―17,12―19,22―10)
A東京(ワイルドC)1勝1敗
【評】第1戦同様にキングスは守備でスイッチする中、積極的なファイトオーバーで張り付く。A東京もPGを起点にズレを突くが、キングスもブロックショットやスチールで波に乗せない。相手のファウルを誘う仕掛けで1点リードし後半へ。第3Qは田代直希や須田侑太郎がA東京のスピードを消し、第4Qにはリバウンドの強さで上回る。須田がスチールを決めた橋本竜馬のアシストで3点弾を入れて逆転。最後は全員で振り切った。