今年の大型連休が10連休だったことに伴い、県内の公立小中学校で授業時数を確保するために夏休みを短縮する動きが出ている。新学習指導要領の2020年度実施に向け、すでに夏休みの短縮を決めていた学校もある。台風による休校があった場合には、さらに夏休みが短くなるかもしれない。
琉球新報が8日までに41市町村の教育委員会に電話で対応を聞いたところ、うるま市、宜野湾市、浦添市、金武町、北谷町、南風原町、与那原町、中城村、北大東村などが、10連休に伴って夏休みを短縮する学校があると答えた。管轄内の学校の対応を把握しきれていない教育委員会もあり、ほかの市町村でも夏休みを短縮する学校がある可能性もある。
短縮する学校はいずれも夏休みの開始日は変えず、2学期の始業式(2学期制では1学期後半開始)を前倒しして授業時数を確保する予定だ。
南大東小中学校は例年より4日早い8月21日から2学期を始める。同校の金城淳校長は「年間日程を削らずに対応することは難しい。連休が長くなった分、夏休みを短くしないといけない」と話した。
南風原町立南星中は、始業式を前倒しし、8月26日に行う。同日は午前中の始業式のみで、27日から通常の授業がある。同じ町内の南風原中は26、27日は午前中だけ生徒に出てもらい、始業式は28日に行う。
南星中の嶺井秀夫校長は「時数確保のために学校行事を削るわけにもいかず、苦肉の策で夏休みの短縮を決めた」と説明。「前倒しした分の給食はない。始業式の日は午前中だけだが、次の日は弁当を持ってきてもらうことになる」と保護者の理解を求めた。
一方、10連休とは関係なく、以前から夏休みを短縮して8月中に2学期を始めている学校もあり、それらの学校ではさらに縮めることなく対応できるという。豊見城市教委は3月までに協議し、予備時数を使うなどして休みを減らさずに対応する方針を確認した。那覇市教委は統一の方針を定めず、各学校に判断を任せた。