米軍機の墜落47年で50件 年1回ペース


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リーフに墜落し大破した普天間基地所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=2016年12月14日、名護市安部の沿岸

 沖縄が日本に復帰して47年が経過した今も日本国内にある米軍専用施設の7割超が沖縄に集中する。「基地あるが故の事件事故」が後を絶たない。自衛隊基地の面積も復帰時の4倍を超え、県民にとって二重の基地負担が進んでいる。

 復帰した1972年5月、米軍専用施設の面積は沖縄に58・7%、本土に41・3%存在していた。その後、県外の基地は大幅に整理縮小される一方、沖縄の基地返還は一部にとどまった。国土面積の0・6%にすぎない沖縄が米軍専用施設の70・3%を負担するいびつな状態となった。日米政府は沖縄の基地負担軽減を掲げるが、現行の返還計画の多くが県内移設の条件付きで、県民の反発を招いている。

 その結果、日本復帰後に県内で発生した米軍機による事故は県が確認した範囲で2017年末までに738件を数えた。墜落事故だけで50件に上る。04年には沖縄国際大に大型ヘリコプターが墜落した。県民の反対を押し切って配備された米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが16年、名護市安部に落ちた。民間地などへの不時着や部品落下も頻発している。

 警察が摘発した米軍構成員による犯罪は18年末までに5998件に上り、うち580件が殺人や強姦などの「凶悪犯」に分類される。1995年には米兵による少女乱暴事件が起きた。2016年、元海兵隊員で米軍属の男が女性を殺害、今年4月に海兵隊所属の海軍兵が女性を殺害した。

 復帰時に一部の米軍施設は返還されたが、代わりに自衛隊が使い始めた。復帰時に自衛隊施設は3施設、166・1ヘクタールだったが、17年には44施設、693・1ヘクタールとなっている。面積は4倍に拡大した。防衛省は南西地域の防衛強化を掲げ、施設や自衛官数を新たに増やす方針だ。

 那覇基地など既存基地の機能を高めているほか、宮古島市や石垣市、与那国町、奄美市(鹿児島県)への自衛隊配備を加速させている。