2018年3月、4・5キロにわたる浦添北道路と臨港道路浦添線が開通し、西海岸のアクセスが改善されている。国道58号の慢性的な渋滞緩和にも効果を見せている一方、これまで物流業者しか通らなかった道に一般車の通行が増えるなど新たな渋滞も引き起こしている。
沖縄総合事務局によると、開通から6カ月後の国道58号港川交差点(南向け)の渋滞は、朝ピーク時で900メートルからゼロに、同城間交差点(北向け)は夕方ピーク時で900メートルから130メートルまで改善した。国道58号の交通量が西海岸の開通道路に分散された結果だ。
浦添北道路と平行する国道58号の交通量は、開通前から9千台減の6万9千台となり、臨港道路浦添線と平行する国道58号は開通前から4千台減の6万8千台となった。
開通道路を使えば、那覇空港から沖縄コンベンションセンターまで約20分で移動でき、「宜野湾や読谷に行くのは15分ほど時間短縮になった」と話す物流関係者もいる。移動時間の短縮により、燃料代の節約にもなっているという。
県トラック協会の佐次田朗会長は「業務時間が終わっても、渋滞にはまって帰って来られないという状況も減っている」と語る。
浦添市牧港に食品工場の整備を進めているセブン―イレブンは、新たな道路開通で利便性が向上していることを工場立地の理由に上げる。7月に那覇市を中心に14店舗同時出店することから、担当者は「浦添市は那覇市内へアクセスが良い」と話す。
一方、開通道路を南向けに走り続けるとさしかかる、なうら橋付近の交差点では、新たな渋滞が発生している。西海岸側の道路開通により、これまで物流トラックしか通らなかった道に一般車の通行が増えたためだ。日中のなうら橋交差点の交通量は、開通前は2万3600台だったのが、開通後には2万8千台と4400台増えている。
一帯は浦添市西洲の卸商業団地や那覇市港町の港運業者・倉庫群が集積し、県内物流の起点となってる。琉球通運(那覇市港町)の職員は「本来なら会社から西洲までを抜けるのに10分で行けるが30分かかったことがある。北向けは改善したかもしれないが、那覇に渋滞のシワ寄せが来ている」と影響を指摘する。
物流関係者らはサンエー浦添西海岸パルコシティの開業後のさらなる渋滞を懸念している。浦添市や県警、サンエーなど関係者らが集まった協議会が開催されるなど対策が練られている。
(「熱島・沖縄経済」取材班・中村優希)
(琉球新報 2019年4月24日掲載)