【浦添】沖縄県浦添市伊祖の浦添総合病院を運営する社会医療法人「仁愛会」(宮城敏夫理事長)は20日までに、市前田の国家公務員宿舎跡地を取得し、早ければ2023年6月にも同病院を新築移転、開院する方針であることが分かった。移転先にはヘリポートを設置し、病室も広くする予定。仁愛会は「他の医療機関とも連携し、県民、市民に今以上の医療を提供したい」としている。
宿舎跡地は3万9278平方メートルで、13日に国からの所有権移転手続きを終えた。沖縄総合事務局によると、売却額は22億3千万円。建物の老朽化や手狭さなどから、浦添総合病院側は建て替え用地を探していた。
仁愛会の新病院建設推進プロジェクト室によると、新病院は20年10月に着工し、22年冬の完成を予定する。現在、浦添総合病院は市港川に救急搬送用のヘリポートを構えている。移転先病院への設置で搬送時間の短縮を期待。病床数は334のままだが、病室を広くして「快適な療養空間を提供する」という。
新病院の新築、移転後も在宅総合センターは現在地で存続させる方針。同プロジェクト室の佐竹暁事務局長は「社会インフラとして地域住民のニーズに応えつつ、救急と地域医療支援病院の役割を果たしたい」としている。
浦添総合病院は1981年に開院し、2015年には県から地域災害拠点病院に指定された。移転先となる前田地区では、自治会が市を通じて浦添総合病院の移転を要望していた。
(真崎裕史)