下水接続費 無償化へ 名護市久辺3区 再編交付金活用検討


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
埋め立て工事が続くキャンプ・シュワブ沿岸部=名護市辺野古

 【名護】沖縄県名護市の辺野古、豊原、久志の3区(久辺3区)の下水道の接続費を無償化する方向で国や3区などが調整していることが20日までに分かった。財源は基地建設を受け入れたことで得られる再編交付金などを検討している。

 久辺3区には現在下水道が整備されていないが、「農業集落排水事業」として下水処理場と下水管を整備する計画がある。2020年度から整備するために、市は県に事業採択を求めている。

 名護市の下水道人口普及率は18年度末で68・6%。各戸と下水管の接続費は個人負担となる。市によると、接続費は平均して1戸当たり30万円程度かかる。

 沖縄防衛局は本紙の取材に対し「当局としては『住民への補償的施策の実施』について法令の範囲内で、区民に還元するような代替的方策を実施していく」と述べた。予算などについては、個別具体的な質問には「答えることは困難」とした。一方、名護市の担当者は下水道接続費の無償化について「無償化自体考えておらず、(市から区に)提案した事実もない」と説明している。

 久辺3区の幹部の一人は「(国側の説明で)『個人の負担がないようにする』という話があった。下水道は環境を良くするための施策だ」と述べた。別の幹部は「(再編交付金も含めて)いろいろなメニューがある。調整はこれからだ」と話している。