沖縄が生んだ西武の主砲、山川穂高が3点本塁打直後のベンチ前でお決まりの“どすこいポーズ”を披露すると、一塁側の観客も一斉に両手を突き上げ、喜びを爆発させた。「沖縄に恩返ししたいという気持ちで試合に臨んだ。今までの野球人生で一番うれしいホームランだった」。故郷に錦を飾り、お立ち台で頰を緩ませた。
1点差に迫られて迎えた七回裏1死一、二塁の場面。ソフトバンクの4番手松田遼馬の外寄りのスライダーを完璧に捉えた打球は、低空飛行でレフトスタンドへ。
「打った瞬間にいったと思った。鳥肌が立ち、泣きそうになった」。4番として勝負を決めるスリーラン。スタンドに球が吸い込まれるのを確認し、一塁に走りながら右手を突き上げると、球場は盛大な拍手や指笛に包まれた。
ソフトバンクの先発は県出身の先輩、東浜巨だった。「巨さんは雲の上の存在で沖縄を引っ張ってきた人。負けじと本塁打を狙っていた」と振り返る。
43試合(全143試合)を終えた時点で早くも20号に乗せ、47本で本塁打王を獲得した昨年を超えるペースで本塁打を量産する。それでも「今日の四球も価値があり、打てない時にもやれることがある。それを含めて50本にいけばいい」と4番としてチームの勝利を優先する。
再び故郷の打席に立つ22日に向け「どう打つかまた考えたい」と気を引き締めた。
(長嶺真輝)
西武―ソフトバンク10回戦(ソフトバンク6勝4敗、18時30分、沖縄セルラースタジアム那覇、16745人)
ソフトバンク
000100221|6
02002030×|7
西武
▽勝 十亀5試合2勝
▽S 増田19試合3勝7S
▽敗 東浜7試合2勝2敗
▽本塁打 栗山2号(2)(東浜)グラシアル8号(1)(十亀)山川20号(3)(松田遼)
▽二塁打 牧原、グラシアル
▽犠打 外崎
▽盗塁 釜元(6)甲斐2(5)源田(10)
▽捕逸 森2
▽暴投 東浜
▽試合時間 4時間2分
【評】西武が勝率5割に復帰した。二回に栗山の2ランで先制し、五回に外崎の適時打などで2点を加点。4―3の七回に山川の20号3ランで差を広げた。ソフトバンクは連勝が3で止まった。