平和活動で新たな賞を検討 沖縄県「県内の草の根活動にも光」


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沖縄平和賞委員会総会であいさつする玉城デニー知事=23日、那覇市泉崎のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 アジア・太平洋地域の平和構築や維持に貢献した個人・団体に贈られる沖縄平和賞に関して、沖縄県が賞金1千万円などを贈られる本来の賞とは別に、県内で活動する個人団体に贈る新たな賞の創設を検討していることが23日、分かった。同日に那覇市泉崎のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューであった同賞委員会総会で明らかにされた。

 隔年開催で来年10回目を迎える同賞では、受賞者に賞状と賞牌(しょうはい)、賞金1千万円と記念品が贈られる。県は、全国の個人や団体を対象にした同賞とは別の賞を新設し、県内で平和活動を展開する個人や団体を表彰する方針。賞金を設けるかなど、表彰の形態については今後検討する。

 同賞を所管する県子ども生活福祉部の大城玲子部長は「県内には小中学校での平和教育など、地道な活動に取り組んでいる人が多くいる」と指摘。「賞の認知向上につなげるためにも、草の根的な活動にも光を当てていきたい」と語った。

 沖縄平和賞は2002年の第1回からこれまでに9回行われ、昨年は1980年から世界11カ国での平和構築活動に取り組む「特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)」が受賞した。

 委員会総会で玉城デニー知事は、節目となる来年度の開催に向けて広報活動を強化するとし「今後も沖縄がアジア・太平洋地域の平和交流の拠点となるよう、努力していく」と意気込みを述べた。