「ごみ屋敷」問題解決に 沖縄市社協、特殊清掃業者と連携し、生活再建へ


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覚書を締結した市社協の積静江会長(右から3人目)とアサヒサービスの大和明文社長(同4人目)ら=11日、沖縄市社会福祉センター

 【沖縄】家の内外がごみなどの物であふれてしまう、いわゆる「ごみ屋敷」問題について、沖縄市社会福祉協議会は民間の清掃業者と連携して解決を図る「リスタート事業」を始めた。清掃をきっかけに自治会や民生委員らとつなげることで、1人暮らしの高齢者などの孤立を防ぎ、住み慣れた地域で生活を再建できるよう支援する。担当者によると、こうした取り組みは県内初。

 特殊清掃業者、アサヒサービス(うるま市、大和明文社長)との覚書の締結式が11日あり、市社協の積静江会長は「住みやすい社会の実現のため専門業者との連携に期待する」とあいさつ。大和社長は「地域とも協力しながら支援していきたい」と話した。

 市社協によると、近年、独居の高齢者や障がい者らから草刈りや清掃などの依頼が増加していた。既存の福祉サービスでは対応できないケースが多い一方、ボランティアでの活動には負担が大きく、専門業者との連携や早期支援を模索してきた。今回の事業は市の補助金を活用し、清掃のほか、相談業務などを担う。

 4月に既に事業をスタートさせており、4件の相談が寄せられている。当事者は地域とのつながりが薄いため支援が行き届かず、相談時には大量のごみが放置されている事例も多いという。

 まず市社協がケースワーカーなどと連携しながら当事者の同意を得て調査に入り、清掃に当たる。担当者は「地域とのつながりを築く機会とし、関係機関と協力して見守りにつなげたい」と話している。