プロバスケットボールBリーグのライジングゼファー福岡に所属する津山尚大(北谷中―福岡大付大濠高出)が、海外に初挑戦する。将来日本代表に選ばれるため「点が取れるポイントガード(PG)」を理想に描く津山が目指すのは、欧州各国のリーグ。身体能力に頼らない体の使い方で得点を量産するPGが多いのが特徴だ。23歳の若武者が学生時代から追い続けた「夢」を実現するため、世界へ飛び出す。故郷の沖縄県民に背中を押してもらおうと、7月上旬からクラウドファンディング「YUIMA(ユイマ)」で挑戦資金を募る。
津山は現在、代理人を通して世界各国のリーグと接触しており、今後トライアウトやトレーニングキャンプに参加する予定。7~8月までにリーグを決め、各国で秋頃に始まる来シーズンから参入したい考えだ。
北谷町出身。180センチ、79キロ。15年に琉球ゴールデンキングスでプロデビュー。18―19シーズンは福岡で60試合中59試合に出場し、平均7・4得点、2・3アシストを記録した。
◆今後の展望 津山に聞く 日本代表へ「点取れるPGに」
海外挑戦への意欲を常に持ち続けてきた津山尚大(23)が、ついに「夢」へ挑む。現在の心境や今後の展望を聞いた。
―なぜ海外挑戦か。
「最終的な目標は日本代表として2024年の五輪に出ることです。今国内では日本代表の田中大貴選手や比江島慎選手などSGやSFもボールをプッシュできるので、PGもパス回しだけでなく、シュート力のある選手が代表で生きてくる。そこを伸ばしたい」
―プレーしたい国は。
「欧州です。ただすぐにプレーできるほど甘くないので、3年くらいのプランでその期間中に欧州にたどり着ければいい。まずは秋頃に始まる来シーズンに向け、7、8月にはチームを決めたいです」
―なぜ欧州か。
「米国は個々の能力で状況を打開する感じだけど、欧州はパス回しで相手を崩し、各選手の動きも徹底していて面白い。得点時の体の使い方もうまい。点を決めながら、状況に応じたコールで試合もコントロールできるPGになりたい」
―海外を意識したきっかけは。
「高校3年時にU―18の日本代表でドイツ遠征に行った時、海外のレベルがめちゃくちゃ高くて、トルコやイタリアとかに全敗した。その時から海外に行きたい気持ちが出てきた」
―このタイミングで決めた理由は。
「キングスではSGとして得点を取る役割をしていた。でも(身長を考えると)海外では絶対にPGになる。だから福岡で1年、他選手のメンタル状況の把握や状況に合わせたコールなどPGの基礎スキルを学んだ。その上で『今しかない』と思った」
―23歳での挑戦は「早い」と見るか。
「遅いですね。一緒にドイツ遠征に行った八村塁は18歳から海外に行ってるし。新人扱いはないので、しっかり力を見せたい」
―今もキングスは意識するか。
「はい。佐々さんの下でメンタル的にも技術的にも成長できた。憧れている並里成選手もいますし。いつかキングスに戻り、ここで(現役生活を)終われたらなという思いはありますね」
―県民に一言。
「ずっと応援してくれて感謝の気持ちでいっぱいです。皆様に恩返しできるように、大きな夢に向かって全力でプレーしたい。応援よろしくお願いします」
(聞き手 長嶺真輝)