米議会調査局が新基地「険しい課題」と分析 県民投票結果触れて報告書を公表


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 【与那嶺路代本紙嘱託記者】米議会調査局は14日までに日米関係の新たな報告書を公表した。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、今年2月に実施された県民投票で有権者の72%が反対していることについて「移設問題は引き続き、険しい政治的課題に直面するだろう」と分析した。

 報告書は、普天間飛行場の移設問題が「日本政府と沖縄を何十年にもわたって分裂させてきた」と説明。2016年の最高裁判決で県による埋め立て承認の取り消しは違法だとして県が敗訴したことや、18年9月に当選した玉城デニー知事が移設計画を阻止すると表明していることなど、これまでの経緯を記している。

 報告書はこのほか、在日米軍駐留経費を巡る新たな特別協定の交渉が来春に始まるが、その行方についても分析。トランプ政権が日本に大幅増額を求めると予測されていることに触れ、「交渉は(進行中の)貿易交渉と絡んでくるだろう」との見方を示している。

 北朝鮮問題では、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が首脳会談を実施したことについて「多くの日本人は、北朝鮮が核兵器や核ミサイルを諦めるとは確信していない。米国と北朝鮮の関係が改善すれば日本の関心事が隅に追いやられるのではないかと心配している」と解説している。

 米議会調査局は米議会図書館の組織の一つで、議員の活動を補佐するためにさまざまなテーマを研究・分析し、報告書にまとめる。報告書は議会に提出される。