学生へのハラスメントで教員を懲戒処分した際の校長コメントが他校と酷似 「考えが似ているからたまたまだ」学校側は流用否定


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 学生にハラスメントを行った教員の懲戒処分を受けて7日に公表された沖縄工業高等専門学校の安藤安則校長のコメントが、他の高等専門学校が懲戒処分の際に発表した校長コメントと酷似していることが15日までに分かった。安藤校長は本紙取材に対し「何年か前にほかの学校のコメントを見たことがあるかもしれないが、高専の校長が考えることは似ているので、たまたま同じになっただけだ」と話し、コメントの流用を否定した。

 安藤校長のコメントと酷似しているのは、2016年3月に明石工業高等専門学校が公表した校長コメントと、17年2月に木更津工業高等専門学校が公表した校長コメント。明石高専と木更津高専の校長コメントは全く同じで、読点の場所に違いがあるだけだった。

 沖縄高専の校長コメントは、両校と比べ漢字とひらがなの表記違いや、「このようなことが起こらないように」を「このようなことが二度と起こらないように」と一部追加している部分もあるが、154字中、違っているのは7字だけだった。各校とも関係者へのおわびやハラスメント防止に向けて努力することを記している。3校はいずれも学生へのハラスメントに対する処分だが、利害関係者とゴルフをした教員を処分した17年11月の大島商船高等専門学校の校長コメントも酷似している。

 安藤校長は「計画を立て、職員一体となって(ハラスメント防止を)真剣にやろうとしている」と述べ、書かれている内容に沿って防止に努めることを強調した。

 懲戒処分の公表内容は、全国の国立高専を運営する独立行政法人国立高等専門学校機構が事前に各校と調整して決める。複数の高専が別々の事案でほぼ同じ校長コメントを出していることについて、同機構は「校長コメントにひな形はない。各校の校長がその都度考えている」と説明した。