俳優の木下ほうかさんが骨髄ドナーの経験語る「誰かが助かるなら意味がある」 腎移植フォーラム


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「第9回腎移植フォーラム」で登壇した(右から)医師の大田守仁さんと俳優の木下ほうかさん=15日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 亡くなった人から腎臓の提供を受ける「献腎移植」への県民の理解を深めるための公開討論会「第9回腎移植フォーラム」(共催・社会医療法人友愛会、アステラス製薬、琉球新報社)が15日、那覇市の琉球新報ホールで行われた。約400人が来場し、骨髄ドナー経験者で俳優の木下ほうかさんら登壇者の話に耳を傾けた。

 フォーラムは3部構成。第1部は木下さんが2009年に骨髄ドナーとして移植手術に臨んだ経験をユーモアを交えて話した。手術に踏み切った当時の心境について「自分の行為で顔の見えないどこかの誰かが助かるのであれば意味があると思った」と明かした。

 第2部は豊見城中央病院の大田守仁外科部長が医療現場での移植医療の現状を説明。「腎移植を待つ人は県内に200人ほどいるが、18年に献腎移植を受けたのはわずか2人」とし、亡くなった人から腎臓の提供を受ける「献腎移植」の促進を訴えた。

 第3部のトークセッションでは、「生体移植」で妻に腎臓を提供したという男性から質問が出る場面も。大田さんは「まずは移植医療について関心を持ってもらうことが大事」と来場者に理解を呼び掛けた。