オリオンビール社長 外部から 来月着任、宮里氏に代表権


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新役員体制や今後の経営方針について記者の質問に答える(左から)亀田浩取締役、與那嶺清取締役副会長、宮里政一代表取締役=19日午後5時ごろ、那覇市安里のホテルロイヤルオリオン

 オリオンビール(浦添市)は19日、野村キャピタル・パートナーズ(NCAP)とカーライル・ジャパン・エルエルシーの子会社となって初めての株主総会を開き、新たな経営体制を決定した。外部の経営者を7月に新社長兼最高経営責任者(CEO)として迎え入れる。前常務の宮里政一氏(62)が代表取締役兼専務執行役員に就任し、新社長の選任まで社長代行を務める。経営体制は新社長を含めて取締役12人で構成し、オリオンの前取締役のうち宮里氏ら4人が残り、NCAPから3人、カーライルから3人、アサヒビールから1人ずつを選出した。

 ビール類の出荷量が減少するなど経営を取り巻く環境は厳しさを増しており、外部人材の登用などで県内シェアの回復や販売体制の強化を図る。

 新役員体制では、前社長の與那嶺清氏(63)が副会長となり、前代表取締役会長の嘉手苅義男氏(79)は代表権のない会長としてそれぞれ取締役に留任する。取締役に再任された亀田浩氏(57)は常務執行役員CFOを兼任する。7月の新社長就任後も宮里氏は代表権を保持する。

 実務を担う執行役員には宮里氏や亀田氏ら7人が就任する。前専務の石川雅弘氏(66)と前取締役の平良勝男氏(63)、大城俊男氏(62)は退任する。大城氏は石川酒造場の社長に就任する。

 総会後に、那覇市のホテルロイヤルオリオンで記者会見を開いて発表した。

 19年3月期決算は売上高が前期比2・2%減の257億2500万円、経常利益が同13・8%減の28億2700万円、純利益が同14・4%減の20億1200万円の減収減益だった。減収はビール類の県内分の落ち込みが響き、宮里氏は「他社が大型商品を出した影響があった。はね返す努力をしたが及ばなかった」と語った。

 オリオンは今年1月、NCAPとカーライルによる株式公開買い付けを受け入れる方針を決めた。3月に買い付けが成立し、NCAPとカーライルが設立したオーシャン・ホールディングスの子会社となった。