航空貨物を輸送する際の重量軽減を図るため、沖縄県貿易協会(新垣旬子会長)が発泡スチロール製のパレット(敷板)を導入している。従来のプラスチック製品より軽量で、平均3~4%の輸送コスト削減につながる。保冷の効果もあり、生鮮食品の輸出などで品質の保持力が高まる。400~500キロの重量まで耐えられるなど、十分な強度もあるという。
貨物輸送に使うパレットは110センチ×110センチが一般的な規格で、プラスチック製や木製の製品は平均10キロ以上の重量があった。発泡スチロール製は同サイズで1.7キロしかなく、重量が5分の1以下となっている。放熱しやすいプラスチックパレットと異なり保冷や耐水の効果が高く、鮮度の維持が求められる生鮮食品の輸出に適している。
発泡パレットを利用した国際貨物輸送の取り組みは、沖縄日通エアカーゴサービス(OAS航空)と琉球海運の協力を得て実施した。
県内には発泡スチロール製パレットを生産する企業がなく、鹿児島から取り寄せる必要がある。パレットの輸送費が負担となるため、有用性が認識されながらも導入が進まなかった。今回は県貿易協会が荷主となることを条件に琉球海運が輸送を引き受ける。
琉球海運が県内に運び入れたパレットを県貿易協会がOAS航空に引き渡す。OAS航空は荷主から引き受けた貨物をパレットに乗せ、ANAカーゴの国際物流事業などを利用して海外に輸送する。軽量のパレットの使用で輸送コストが抑えられれば、県産品の輸出拡大につながることも期待できる。
事業の導入に取り組んだ県貿易協会の浦崎和也プロジェクトマネージャーは「国際貨物輸送でコストを抑え、品質を保つ仕組みが導入された。海外輸出を目指す企業に活用してほしい」と話した。