逃げるサル、飼育員ほんろう こどもの国、100人態勢で捕獲作業


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逃げ出したサルの捕獲へ目をこらす沖縄こどもの国の職員ら=27日午後0時53分、沖縄市の同園(ジャン松元撮影)

 【中部】茂みからひょっこり顔を出したかと思えば、真っ赤なおしりを見せて逃げていく。沖縄市の沖縄こどもの国からヤクシマザル14匹が逃げ出した27日、同園や周辺の住宅地で飼育員や市職員らが100人態勢で捕獲作業に追われた。防災無線は「見つけても近づかないでください」などと呼び掛け、子どもたちは集団下校するなど、地域はものものしい雰囲気となった。

 飼育員らは園内に大型のネットを張り、網や麻酔薬を使った吹き矢を手に捕獲を試みたが、近づくとサルは素早く逃げた。サル舎の背後に広がる森に逃げ込んだサルたちの数匹が、森を越えて北中城村島袋の住宅街近くで目撃された。飼育員や警官らが森と住宅を隔てる道路に一定の距離をおいて立ち、サルが住宅に近づかないよう警戒した。

 27日午前、サル舎の近くにいた大人のオス「ぽんすけ」、子どものメス「おちょこ」の2匹が捕獲された。園職員らによると「ぽんすけ」は体は大きいが気の優しいサルで、おちょこは奔放な性格だという。山に逃げたサルたちは木に登ったり茂みに身を隠したりし、時折姿を見せては毛繕いをするなどしたが、飼育員らが近づくとすぐに逃げ、現場は膠着(こうちゃく)状態となった。

 日が暮れかかる頃、飼育員らの無線で新たに大人のメス「さばこ」と子どものオス「さばみそ」が捕獲されたことが伝えられた。2匹は親子で、サル舎に戻ってきたという。飼育員らは深夜まで懐中電灯を手にサルたちを探し続けた。

 園近くに住むウィリアムズ菜々絵さん(28)=会社員=は「地域の放送でサルが逃げたので見掛けたら警察に連絡してくださいと流れていた。この辺は子どもがいっぱいいるから心配だ。早く捕まってほしい」と語り、捜索の様子を見守った。