「ノグチゲラを危惧種に指定しないのは違反」 沖縄の米軍訓練場に生息 米環境団体が米国提訴の意思通知


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餌を巣に運ぶノグチゲラ=東村

 【与那嶺路代本紙嘱託記者】沖縄本島北部だけに生息する国の特別天然記念物ノグチゲラについて米環境保護団体「生物多様性センター」は26日、ノグチゲラを絶滅危惧種に指定しないのは米国の「種の保存法」違反だとして、米政府が60日以内に答申しなければ提訴するとの通知を送った。送付先は内務省と魚類・野生生物局。

 通知文書では「ノグチゲラの多くは沖縄の海兵隊のジャングル訓練センターに生息する。高江のヘリパッド建設のような米軍の運用に加え、ダム建設や農業、ゴルフコース開発なども大きな脅威となっている」と環境の悪化を懸念している。

 生物多様性センターは通知文書を送付した26日、緊急声明を出し、「ノグチゲラは重大な危機にひんしている。米政府は国内外にかかわらず野生保護の基準に従うべきだ。1980年に保護を求める署名が提出されてから40年近くたつのに米国は何もしていない」と批判した。

 生物多様性センターは2003年にも提訴。04年に米政府が絶滅危惧種の指定を再検討することで和解が成立した。しかしその後、米政府が「指定は必要だが後回し」と判断したため、06年に再提訴した。16年にも米政府は同様の判断を決定したが、答申期限の12カ月を大幅に過ぎても対応しないため今回、同センターは再々提訴の意思を通知した。