小規模企業への融資が136億で過去最高 前年比12・9%増 投資や建設の伸びで


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄振興開発金融公庫と県商工会議所連合会、県商工会連合会は24日、小規模事業者経営改善資金(マル経資金)と沖縄雇用・経営基盤強化資金貸付(沖経資金)の融資実績を発表した。マル経資金と沖経資金を合わせた2018年度の貸付実績は前年度比12・9%増の136億円で過去最高となった。県内景気の拡大に伴って小規模事業者の資金需要が旺盛になり、実績が伸びた。

 マル経資金と沖経資金は商工会議所や商工会が経営指導や推薦をした小規模事業者などを対象に、沖縄公庫が無担保・無保証で融資を行う。

 マル経資金の実績は前年度比14・6%増の125億8千万円で過去最多だった。好景気を背景に企業投資が活発化している宮古や八重山エリアで大きく伸びたほか、建設需要が高まっている中部エリアでも前年を上回った。1件当たりの貸付金額は同6・6%増の931万円だった。

 資金の使途別では運転資金が73・1%、設備資金が26・9%を占めた。人手不足が深刻化する中で、企業が人員採用のための人件費を確保する目的などから、運転資金の割合が高まっているという。

 沖経資金の実績は同3・9%減の10億2400万円だった。建設業などで前年を上回った一方で、卸売・小売業などが減少した。沖縄公庫は減少理由について「沖経資金はマル経資金の対象企業より事業規模が大きく、民間金融機関から資金を調達している可能性がある」と分析した。