社会

自殺未遂の女性を救った沖縄のタクシー運転手 空港、コンビニ、川…変わる行き先に自殺を察知

自殺未遂の乗客を救った光タクシーの元俊晶さん(左)と泉川寛治社長=6日、那覇市曙

 【浦添】乗客の異変に気付き、警察と連携して自死を防いだ男性がいる。光タクシー(浦添市・泉川寛治社長)曙営業所の運転手、元(もと)俊晶さん(48)=那覇市。海に身投げしようとした30代の女性を救い、浦添署から感謝状が贈られた。

 元さんは「助かって本当に良かった。元気になってまた会えたら、心から祝ってあげたい」と再会を願っている。

 元さんは夜勤一筋18年。6月3日午後8時40分ごろ、那覇市東町で女性を乗せた。帽子を目深にかぶり、口にはマスク。表情は見えない。ショッピングセンター、ドラッグストア、空港、川、コンビニ…。「失恋でもしたのだろう」と思い、女性の言うままに車を走らせた。

 「海沿いの道路」のリクエストに応え、浦添市の西海岸道路を走っていた時だった。女性は北谷町美浜の方を眺め、「きれいな海と夜景を見せてくれてありがとう」と言った。時間は午後11時ごろ。元さんの脳裏に「自殺」の二文字がよぎった。

 「5秒待ってて」と言われ、車を止めた。女性ははだしで飛び出し、すぐに見えなくなった。元さんは「海に入ったな」と察し、110番通報した。近くの警察官が駆け付けると、女性は胸の深さまで海に入っていた。警察官は制服のまま海に入り、女性の説得を続けた。元さんは祈るような気持ちでその様子を見守った。約1時間後、女性は無事救助された。

 後日、浦添署を通じ、女性の家族から感謝の言葉が届けられた。「たいしたことはしていない」と謙遜する元さん。「助かってホッとした。生きていれば必ずいいことがある。もしまた会えたら、『あんなこともあったね。無事で良かったね』と話したい」と笑顔を見せた。



関連するニュース






  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス







  • 他のサービス