21年度期限切れの沖縄振興計画を総点検 振興審、来夏までに中間報告 県民所得と若年層の失業が課題に


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 2021年度末で期限切れを迎える沖縄振興計画の後期展望を議論する沖縄振興審議会総合部会専門委員会(座長・宮平栄治名桜大大学院国際文化研究科教授)の本年度初会合が6月28日、沖縄総合事務局で開かれた。現行沖縄振興計画の総点検作業を国と県が行い、委員らの意見を反映させて来年夏ごろに中間報告を取りまとめることを確認した。それまでに分野別に5回の専門委員会を開催する。次回は9月12日。

 28日の総合部会専門委員会には電力、観光、農業、女性経営者、有識者など11人の委員が出席した。

 初めに内閣府の荒竹宏之内閣府参事官が沖縄振興の成果と課題を報告した。社会資本整備は全国との整備水準の差が縮小し、県内総生産・就業者数の伸びは全国を上回っており、観光やIT産業は着実に成長したと成果を説明した。一方で1人当たりの県民所得は全国最下位で失業率は特に若年層で高く、いびつな産業構造であることなどを課題として示した。

 委員の東洋大学の沼尾波子教授は「これだけ交付金が入っても若年層の失業率が高いのかという印象だ。地元での経済循環につながりきれていない部分があるとすれば、そこをどう見直していくのかという観点から検討が必要だ」と指摘した。

 全国的に国の財政支援や租税特別措置が縮小方向にある中、沖縄の手厚さについて国民への説明責任や効果の検証が必要だという考えも示した。

 このほか委員らからは現行計画の総点検作業について、数値に表れない定性的な評価も重要だという意見や、総合的でダイナミックに計画を立てるため、俯瞰(ふかん)した点検作業をしてほしいといった要望も出された。