ハンセン病家族訴訟 国、控訴見送り 復帰前の沖縄の関係者への補償「コメントは控えたい」


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会見する根本匠厚生労働相=9日午前、厚生労働省

 【東京】ハンセン病患者に対する国の隔離政策により、本人だけでなく家族も差別を受けたことを認めた熊本地裁判決について、政府は9日、控訴を見送る方針を決めた。同日午前の会見で根本匠厚生労働相は「(安倍晋三首相から)筆舌に尽くしがたい経験をした家族の労苦を長引かせるわけにはいかない。控訴断念の方向で検討するよう指示を受けた」と明らかにした。

 根本氏は「判決内容には一部受け入れがたい点もある」と述べ、異例の対応であることを強調した。

 一方、判決は沖縄で日本復帰前に行われた隔離政策に関しては国の責任を認めていないなどの問題点も指摘されている。復帰前の沖縄の関係者への補償などの対応について根本厚労相は「コメントは控えたい」と述べるにとどめた。【琉球新報電子版】