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〝黒船〟セブンが上陸 ファミマ ローソン 地域密着、協業で差別化 コンビニ激闘時代(1)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
7月11日の開業に向けて準備が進むセブン―イレブンの店舗=8日、那覇市松山

 コンビニエンスストア最大手・セブン―イレブンが、47都道府県で唯一店舗がなかった沖縄についに進出を果たす。「これから激しい戦いが始まる。血で血を洗うような状況になるだろう」―。県内のコンビニ関係者は厳しい表情でつぶやいた。ファミリーマートとローソンが占めてきた県内市場に“黒船”のようにセブンが上陸する。沖縄を舞台にした、コンビニ大手3社による激闘の時代を迎える。7月11日の営業開始まで、あと2日。

 コンビニ各社のつばぜり合いはすでに始まっている。複数の関係者によると、既存のコンビニオーナーにセブンへのくら替えを提案するケースに加え、他社より高い賃料を提示してセブンが出店場所の確保を目指す事例もあったという。沖縄で後発のセブンにとって、集客が見込める好立地の確保が最重要課題となる。コンビニ関係者は「資金力を武器に県内で攻勢を強めている」と危機感を募らせる。

 セブンは2017年に沖縄進出を正式に表明して以降、総菜やスイーツを製造する自社工場の建設など環境整備を進めてきた。現地子会社として設立したセブン―イレブン沖縄(那覇市)の久鍋研二社長は「セブンの商品を食べたいという沖縄の皆さまの要望に応える準備ができた」と、全国唯一の空白地帯である沖縄進出に向けて強い自信をのぞかせる。

 黒船セブンを迎え撃つ筆頭が、県内最多の325店舗(6月末現在)を展開する沖縄ファミリーマートだ。1987年の沖縄進出から30年以上の経験を土台に、地元流通大手のリウボウと協力して沖縄にコンビニ文化を根付かせてきたという自負がある。2015~16年には沖縄でコンビニのはしりだったココストアの店舗を統合し、さらなる地域密着路線で差別化を図る考えだ。沖縄ファミマの野﨑真人社長は「地域で長年やってきた強みを生かす。セブンが来ても同じ土俵で戦うことはしない」と強調する。

 県内232店舗を展開するローソン沖縄の古謝将之社長は「セブン進出による競争環境の変化を見据えて、これまで準備を進めてきた」と言う。ローソンは97年の沖縄進出時は全国統一のオペレーションで事業を進めたが、地域性を深めるため2009年に県内スーパー最大手のサンエーと協業したのが市場開拓の転機となった。古謝社長は「サンエーと一緒に沖縄独自の商品開発ができる」と協業による相乗効果を語る。

 沖縄は全国的に見てもコンビニの利用頻度が高い地域と言われる。帝国データバンク沖縄支店によると、県内のファミマとローソンの平均日販(各店舗の1日の売上高)は65万円前後で、全国平均を10万円以上も上回る。県内の小売関係者は、ファミマとローソンが地盤を固め、県民の好みに合わせた商品を提供する沖縄には「独特なマーケットがある」と見る。最大手のセブンが進出しても「全国のような圧勝はないだろう」と分析する。とはいえ、高品質の商品を提供し、他社を上回る日販を誇るセブンを「コンビニとして別格のブランド」と見る関係者は多い。

 全国的にはセブンが頭一つ抜け出ている状況だが、沖縄でどのような展開が生まれるのか。県内でのシェア拡大に向けて、コンビニ各社が火花を散らす。

(「熱島・沖縄経済」取材班・平安太一)

(琉球新報 2019年7月9日掲載)